日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
血液浄化療法に用いるdouble lumen catheterの構造の違いが実血液流量にあたえる影響
髙橋 良光中村 藤夫追手 巍
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2013 年 4 巻 1 号 p. 69-74

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抄録

血液透析療法の設定血液流量(prescribed blood flow rate,Qb,mL/min)は,溶質の除去量に大きな影響をもたらす。実血液流量(actual blood flow rate,aQb,mL/min)は,透析針によって異なり,Qbより低いことが報告されている。double lumen catheter(DLC)を用い,QbとaQbの差を比較した。脱血側におけるaQbの違いについて,Flexxicon®Ⅱは,80.4±0.01mL/minと最も低下を示した。Gam Cath®は,23.8±0.55mL/minと最も軽微な低下を示した。返血側は,すべての条件で6.58±2.29mL/min以内の低下を示した。aQbの違いは脱血側の形状や内腔断面積の違いによる影響が大きく,とくに高流量の設定を行うときは各種DLCの特徴を考慮してQbを決定する必要があると考えられる。

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© 2013, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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