血液浄化法は血液透析として始まり,延命と社会復帰を実現し普及した。主に膜型透析器と濾過器が開発され,進展した。その後,膜型血漿交換法,血液および血漿吸着法,白血球除去法なども開発され,急性腎不全,急性肝不全,重症膵炎,自己免疫疾患などの治療にも用いられた。しかし,膜型血液浄化法では病因物質除去と体液恒常性維持は可能だが,代謝機能を代替することができず,限界があることが指摘された。人工膜と細胞を用いたハイブリッド治療システムはその限界を克服できる可能性があり,まずヒト尿細管上皮細胞と中空糸モジュールを用いたバイオ人工尿細管デバイスが開発され,全身性炎症反応症候群から致死的な多臓器不全に移行する患者の救命の研究が開始された。両腎摘出48時間後致死量のLPSが静注されたヤギに用いられ,血清IL-6濃度低下,サイトカインmRNAの発現亢進の抑制,救命などの効果が明らかになった。近い将来の臨床使用が期待される。