2014 年 5 巻 1 号 p. 14-20
地震災害治療の基本は,(1)特異病態,(2)限定初期治療,(3)後送重視,(4)DMAT(Disaster Medical Assistance Team)である。阪神淡路大震災(平成7年1月)および中越地震(平成16年10月)ではクラッシュ症候群やエコノミークラス症候群が注目され,大規模自然災害における急性血液浄化療法の有用性が広く認識される好機を得た。その後,中越沖地震(平成19年7月)では慢性維持透析の近隣地域連携が,さらに東日本大震災(平成23年3月11日)では大規模広域避難と遠隔避難先での透析医療連携が実施された。被災地が担う初期治療は急性血液浄化を含め,自ずと限定したものにならざるを得ない。他方,本邦でもDMATの早期進出が確立しており今後とも大いに期待される。しかしながら,安定している慢性維持透析患者はDMATの対象となりにくい。それゆえ,被災地域では発災当初から慢性維持透析医療のダウンサイジング,とくに広域・長期避難連携を検討する必要がある。