2015 年 6 巻 1 号 p. 82-85
ECMO管理を要したインフルエンザ肺炎による重症呼吸不全に対してEVLWとPVPIを指標にCHDFで体液コントロールを行った症例を報告する。症例は50歳男性。人工呼吸器で管理不能な重症呼吸不全の治療目的で当院へ転院した。両側肺に高度びまん性浸潤影を認め,PaO2/FiO2は79.3と低下しておりECMOを導入した。気管支洗浄液からインフルエンザA/H1N1pdm09を検出しペラミビルの投与を行った。経肺熱希釈モニタリングでEVLW 32mL/kg,PVPI 6.7と著明な血管透過性亢進を伴う肺水腫を呈していた。EVLW・PVPIを指標にCHDFで除水を行ったところ次第に肺の透過性や酸素化能は改善して第39病日にECMOを離脱,第96病日に自宅退院した。重症肺病変の改善には長期間にわたるECMO管理とCHDFによる厳格な体液管理が有効で,EVLW・PVPIは除水量の指標になることが示唆された。