2015 年 6 巻 2 号 p. 119-123
【目的】敗血症性ショックに対するエンドトキシン吸着療法(PMX-DHP)による加療中の遺伝子組み換えヒトトロンボモジュリン製剤(rTM)投与の影響について検討した。【方法】PMX-DHP施行のrTM投与群と非投与群で,患者背景,転帰,カテコラミン量と血小板数および回路内圧の推移について後ろ向きに比較した。【結果】両群で28日転帰に有意差はなかった。カテコラミン量は投与群のほうがより減量できる傾向にあり,血小板数も投与群で減少抑制がみられた。しかし,いずれも統計学的有意差までは認めなかった。【結論】今回の検討においてPMX-DHPにrTMを併用することでの血小板数,循環動態改善について有意差は認めず,今後,前向き研究での有効性の検討が必要と考える。