日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
治療抵抗性成人still病に対してContinuous renal replacement therapy(CRRT)を施行した1例
是枝 大輔山野 由紀子南方 大和
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キーワード: 成人still病, CRRT, AN69-ST
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2017 年 8 巻 1 号 p. 88-91

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抄録

【背景】成人still病の病因は,感染などが契機となり,単球,マクロファージの活性化が制御されずに炎症性サイトカインの過剰な産生が持続することがその本態と考えられている。【症例】70歳代女性。遷延する発熱・皮疹のため当院入院。診断的治療目的にてプレドニゾロン内服を開始した。第7病日成人still病の診断となりステロイドパルス療法を実施し,直後には解熱を認めたが,数日で発熱が再燃していた。免疫抑制剤などを追加しても,解熱を認めず。同時期に尿量低下も認め,サイトカイン除去および腎代替療法実施目的にて,第25病日よりCRRTを実施し,速やかな解熱を認めた。トシリズマブ使用下に内服薬を調整し,発熱再燃は認めず,第58病日に独歩で退院となった。【結論】CRRT併用後著明な病勢制御が可能であった成人still病の1例を経験した。この効果については,今後も検討が必要と考えられる。

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© 2017, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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