2018 年 9 巻 1 号 p. 3-9
2011年に発生した血液浄化器取り違えによる患者死亡事例の問題点として,血液浄化器形状がすべて類似していることが指摘された。医療ガスおよび経腸栄養経路の誤接続防止には接続部形状変更が極めて有効であることが明らかとなっているため,関連学会などより,血液浄化器共通のスリップイン方式(ISO8637)である血漿分離器透析液ポート形状を血液濾過器用回路とは接合できない規格に変更することが提案された。この提案に関して,医療者側と血液浄化機器製造企業双方で同ポート形状変更に関して協議を重ね,厚生労働省の指導のもとで国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)の新しい医療機器接合部規格にあわせたルアーロック方式(ISO80369-7)へ形状変更することが決定し,2018年での承認申請に向けて準備が進められている。