日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
遺伝・環境相互作用によるレジリエンス形成の分子基盤
内田 周作
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 32 巻 4 号 p. 165-169

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抄録
うつ病の発症・病態メカニズムは未だに不明であるが,遺伝的要因に加えてストレスなどの環境要因がかかわると指摘されている。一方,慢性ストレスに曝露された人すべてが精神疾患を発症するわけではない。すなわち,遺伝・環境相互作用にもとづく神経可塑的変化がストレス性精神疾患の病態に関与している可能性がある。精神疾患の病態として想定されている神経可塑性・構造的可塑性異常には脳内の遺伝子発現調節機構が重要な役割を担っている。筆者らはこれまでに,遺伝・環境相互作用に起因するうつ病モデルマウスを用いた検討から,海馬・側坐核・内側前頭前野皮質におけるエピジェネティックな遺伝子発現調節がストレスレジリエンス形成に重要な役割を担っていることを見いだした。本稿では,エピジェネティクスにフォーカスを絞り,うつ病の病態とストレスレジリエンスとのかかわりについて概説する。
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© 2021 日本生物学的精神医学会
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