臨床化学
Online ISSN : 2187-4077
Print ISSN : 0370-5633
ISSN-L : 0370-5633
第二抗体固相法によるデキサメサゾンの酵素免疫測定法
西口 嘉乃小林 吉晴多河 典子渡邊 富久子
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 21 巻 2 号 p. 106-112

詳細
抄録
第二抗体固相化マイクロタイタープレートを用いた簡便なデキサメサゾンの酵素免疫測定法を開発した。作製したプレートは4℃で少なくとも1ヵ月は安定であった。抗体は4-(carboxymethylthio) dexamethasone (4-CMT-デキサメサゾン) とウシ血清アルブミンを結合させたものをウサギに免疫して得た。また, 4-CMT-デキサメサゾンとアルカリ性ホスファターゼを結合させ, 酵素標識デキサメサゾンとして用いた。
本法は血清10μlを使用しデキサメサゾンを抽出することなく定量でき, 検出限界は1.55 Pg/well, 測定可能範囲は1.55Pg-10ng/10μl血清であった。とくに測定上問題となる内因性のコルチゾールとの交差反応性は0.3%と低く, またその測定精度は同時測定変動係数が1。2-3.6%, 測定間変動係数は2.6-9.6%であった。デキサメサゾン服用者の検体を本法により測定しその血中濃度の推移を検討した結果, 本法は血中デキサメサゾン濃度定量に有用であることを確認した。
著者関連情報
© 日本臨床化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top