2020 年 1 巻 J1 号 p. 498-507
既設コンクリート構造物の性能を正確に評価するためには,表面だけでなく構造内部のひび割れ位置,寸法,角度等の詳細情報までを取得できる方法が望まれる.そこで本研究では,レーダ画像からGANを用いてコンクリート内部の欠陥の位置・角度情報を推定・可視化する手法の適用を試みた.具体的には,まず,人工欠陥を,位置,寸法,角度を変えて配置した供試体を作製してレーダ画像を取得する.取得したデータをGANの応用技術の一種であるpix2pixに学習させ,レーダ画像から欠陥を含む断面画像を推定・可視化した.検討の結果,提案手法は,欠陥の位置,寸法,角度情報を概ね再現できるものの,欠陥位置が深くなると欠陥からの反射波は実際より浅く推定され,精度が低下する傾向が見られた.