2021 年 2 巻 J2 号 p. 37-46
道路橋定期点検要領の改訂など,AIを活用したインフラ維持管理の運用に向けた気運が高まっている.一方で,現場で撮影される画像は天候などの影響によって特性が大きく変化するため,多様なシーンで撮影された画像からAIが安定して変状を検出できないといった課題がある.
これを受けて本稿では河川護岸のひび割れSegmentationをテーマに,河川の左右岸別に画像の特徴量を比較することで,異なる状況で撮影された画像特性の違いを定量評価した.さらに画像の見かけの違いに頑健になると言われているInstance Normlizationをひび割れ検出モデルに導入し,特性の異なる画像間で安定してひび割れを検出できるモデル構造を検討した.