2021 年 2 巻 J2 号 p. 29-36
橋梁点検において,近接目視点検の代替手法の1つに,橋梁写真から深層学習による画像認識で損傷を自動検出する手法がある.この手法では,事前に画像から損傷を自動検出を行うことで,点検技術者の損傷判定業務を支援し,点検作業の省力化に期待ができる.しかし,損傷検出モデルの学習データ作成には時間がかかることが課題となっている.検出結果の表示に多少の粗さが許容されれば,学習データの作成時間は削減できる.ただし,損傷検出結果が不明瞭だと損傷判定に影響が生じる恐れがある.近接目視点検と同じ精度の判定を行うためには,損傷判定に影響しない検出結果表示をさせる必要がある.本研究では,橋梁点検の点検項目の1つである遊離石灰を画像認識で自動検出し,橋梁診断員の損傷判定に必要な検出結果の表示サイズについて検証した.