AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
強震観測データのみから地盤の液状化の程度を 判定する深層学習技術の妥当性の検討 -東北地方太平洋沖地震を事例として-
鳥屋部 佳苗加村 晃良風間 基樹
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 2 巻 J2 号 p. 598-608

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抄録

地震動の加速度記録のみから液状化の程度を評価する深層学習技術を対象として,その妥当性を検討した.東北地方太平洋沖地震における関東地方140地点の強震観測データを事例として,実際に液状化被害が確認された地点との比較評価を実施した.液状化の程度は「液状化度(DDL)」と定義し,地盤中の過剰間隙水圧比の上昇度合いを深層学習の正解ラベルとして,0~4の5段階に分けて評価した.その結果,DDL=0~2(低い水圧比と判定)は87地点,DDL=3,4(高い水圧比と判定)は53地点となった.これらを東北地方太平洋沖地震の液状化履歴地図と比較したところ,DDL=3以上と判定した結果の約8%が地表で観測された液状化観測地点と一致し,DDL=2以下の地点の約91%で非液状化地点と一致した.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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