2022 年 3 巻 J2 号 p. 182-189
本研究は,高知市の高度経済成長期にスプロールした地域を対象に,地域特性及び居住利便性の二時点間の変化が空き家率増加に影響を及ぼしているかを把握した.市販されているデジタル住宅地図から空き家データを作成し,空き家発生動態を分析した.その結果,実際の空き家分布と必ず一致するとは限らないものの,住宅における居住者名称の有無を活用することで居住実態を把握できることから,空き家データの作成に有効であることを示唆した.また,人口増減や世帯数増減といった人口に関する要因が最も影響を与えていることを明らかにした.また,高度経済成長期に DID であった地域や特定の住民に利用される生活施設が撤退した地域で空き家率が増加すると判別することも分かった.