2023 年 4 巻 3 号 p. 142-148
橋梁の診断において過去の損傷事例を参考にすることは重要であるが,その手法については未だ確立されておらず,撮影した損傷画像をキーとして過去の類似した損傷画像をデータベースから検索するシステムが現在求められている.そこで本研究では,LSTMを組み込んだネットワークにより,撮影画像から損傷特徴を意味的に抽出するDeep Learningモデルを構築し,実際の橋梁損傷画像を用いて学習を行った上で類似画像検索を行った.その結果,LSTMによる意味的特徴の抽出を行うことで既往の類似画像検索手法と比較して精度が大幅に高くなり,より橋梁の診断に役立つ類似画像検索を行うことが可能となることが分かった.