2023 年 4 巻 3 号 p. 149-157
橋梁の定期点検時における損傷程度の評価は,橋梁の状態を示す最も基礎的なデータであり,維持・補修計画の検討等に利用されるため,正確かつ客観的なものにする必要がある.しかし,損傷程度の評価の中には,定性的な区分が存在し,点検者によって,ばらつきが発生しやすいという課題がある.そこで,本研究では,損傷程度の評価のばらつきを抑制することを目的として,橋梁点検の実態を踏まえたAIの評価アルゴリズムや教師データの作成,精度検証等の開発手法および山口県におけるAIの導入手法について検討した事例について報告する.