2023 年 4 巻 3 号 p. 561-569
現在,耐候性鋼材における一般的な点検方法として,目視によりさびの状態を5段階に評価する手法が採用されているが,判定に個人差が生じやすいことから,画像認識を得意とする畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた定量的かつ自動判定できる評価手法の提案がなされている.しかし,教師データとして使用されるさびの小片画像の評点が不明である上,CNNによる判定では小片画像のさびの状態しか判定できないといった問題がある.本研究では,さび画像を学習していないCNNより抽出された特徴量を,教師なし学習であるt分布型確率的近傍埋め込み法(t-SNE)を用いて次元削減,可視化することで,さび外観評点の分類が可能であるか検討した.その結果,各評点の小片画像の分布より,さび外観の評点を分類できる可能性を示した.