2024 年 5 巻 3 号 p. 165-174
跨座式モノレールにおいて軌道桁の境界に敷設される伸縮継目部は,列車通過に伴う衝撃荷重の作用により受座部コンクリートにひび割れや剥離が生じる場合がある.これに対して技術者による打音検査が年4回実施されており,膨大な人工を要している.本研究では伸縮継目部の打音検査における変状判定の自動化を目的とし,多点加振と相反定理による伸縮継目部のモード特性の同定を行うとともに,変状がモード特性に及ぼす影響を調査した.その結果,受座部に変状を有する伸縮継目部では 1100Hz付近で爪部のモード振幅が増大することを明らかにした.また,この特徴を利用し,伸縮継目板の爪部4点の加振試験から変状有無と変状範囲を判別する手法を提案した.