2024 年 5 巻 3 号 p. 579-585
近年,老朽化橋梁の急増に伴い,より効率的で定量的な橋梁点検手法の確立が求められている.著者らは小型 FWD 試験機を用いた衝撃振動試験に着目し,小規模橋梁で実験を行ってきた.応答加速度を計測し,複数の計測点間の応答加速度差に対し,MTS 法を適用することで床版内の局所的な損傷・劣化箇所を把握しようと試みてきた.本研究では,FEM 解析を用い,劣化度・劣化範囲の大きさが MTS 法を用いた結果に与える影響について検討し,床版内の劣化・損傷検出への MTS 法の有用性について調べた.