2025 年 6 巻 3 号 p. 46-55
鉄道施設の三次元設計やデジタルツイン構築において,軌道中心は空間モデルの基準線として重要な役割を担う.本研究では,地上型レーザスキャナ(TLS)により取得された鉄道空間点群に対し,レールパーツの重心を抽出し,それらに基づく三次元レール形状の近似方式を構成・評価した.媒介変数(Y 座標/曲線長),近似手法(最小二乗法/RANSAC),および方向適用(共通/分離)という 3 要素の組合せにより 8 通りの方式を設計し,近似精度と誤差構造の違いを定量的に比較した.評価の結果,曲線長を用いた方式ではX 方向のばらつきが安定した.またRANSAC は水平方向で高い適合性を示す一方,鉛直方向では構造的変化を除外する傾向も観察された.さらに,TLS 点群の誤差構造や整列処理の影響も評価され,軌道中心線の三次元構成に向けた方式選定と観測・処理条件の重要性が示された.