2025 年 6 巻 3 号 p. 587-593
本研究は,深層学習と画像処理技術を用いて,鋼橋の腐食を検出し,過年度からの腐食進行を可視化・ 定量化するシステムの開発を目的とする.具体的には,まず,点検車載カメラで撮影された桁の画像を画像アライメント技術を用いて過年度画像と画角調整し,物体検出アルゴリズムを用いて腐食箇所を特定する.次に,加色混合法を用いて過年度からの腐食の進展域を可視化し,その後,ヒストグラム平坦化や HSV 変換,二値化処理を通じてピクセル単位で腐食進展量を算出する.実際の点検画像を用いた実証実験の結果,本システムにより腐食進展領域の抽出と定量的評価が可能であることを確認した.本システムは,点検作業の省力化や判断の標準化に寄与し,構造物の維持管理の高度化に貢献しうる技術である.