2025 年 6 巻 3 号 p. 899-911
地球温暖化対策には土壌からの温室効果ガス量およびその発生要因成分の推定技術が必須である.本研究では,土壌水抽出液の励起蛍光マトリクス(EEM)を入力とした,土壌の全炭素(TC),全窒素(TN),水溶性全有機体炭素(WS-TOC),水溶性全窒素(WS-TN),および発生 CO2量の推定モデル構築を目的とした.モデルの評価指標として,テストデータにおける二乗平均平方根誤差(RMSECV),決定係数(R2CV)および予測偏差比(RPDCV)を用いた.畳み込みニューラルネットワーク(CNN)と部分的最小二乗回帰(PLSR)を比較した結果,CNN が優位性を示し,TC(R2CV=0.95),TN(R2CV=0.93),WS-TOC(R2CV=0.86),WS-TN(R2CV=0.91)で高精度な推定が可能であった.以上の結果から,蛍光分光法と深層学習による土壌中の炭素・窒素関連成分の推定の可能性が示唆された.