2025 年 6 巻 3 号 p. 891-898
こんにゃく製品の品質管理において,厚生労働省基準により pH 11.0 以上が要求されているが,現行の 破壊的検査法では全数検査が困難であることと食品ロスが課題である.本研究では,励起蛍光マトリクス (EEM)を用いたこんにゃくの pH の非破壊的予測手法の開発を目的とした.異なるpH 条件で調製した 54 個のこんにゃくサンプルに対して EEM 測定を行い,部分的最小二乗回帰,転移学習,畳み込みニューラルネットワークによる予測モデルを構築した.EEM 測定により,Ex. 280-300 nm / Em. 340-360 nm(ピーク A)と Ex. 320-330 nm / Em. 400-360 nm(ピーク B)の 2 つ蛍光ピークが観測され,pH 上昇に伴いピーク A 強度が顕著に減少した.予測モデルの構築では,最も精度の高いモデルで, R2=0.893, RMSE=0.252 であった.以上の結果より,蛍光分光法を用いた非破壊的なこんにゃくの pH 評価の可能性が示された.