2023 年 2 巻 1 号 p. 143-150
山陽新幹線では,RCラーメン高架橋における電気防食工法の適用性を検証するため,2003年度より外部電源方式の試験施工を開始している.2010年度からは流電陽極方式の試験施工も開始しており,施工後の各工法の追跡調査を実施した結果,いずれの電気防食工法においても防食基準を概ね満足し,錆汁等の鉄筋腐食に起因する外観変状も認められず,防食効果を維持していることを確認した.今後の適用については,高架橋の構造形式や内部の鉄筋腐食状況だけでなくライフサイクルコストや周辺環境を踏まえて決定することを考えている.