2023 年 2 巻 1 号 p. 136-142
橋梁の点検では,損傷・劣化の見逃しや見過ごしがなく,点検が必要な個所に対して確実に点検を実施し,その損傷・劣化が危険性や進行性を有するものであるかを判断できる資料を提供することが重要である.本研究では,タブレット端末上のVR空間に橋梁の3Dモデルを構築し,橋梁モデル上に過去の点検結果や新たな点検個所及び点検結果の記録が可能なデジタルツイン点検野帳を開発した.本システムを活用することで,点検時の損傷・劣化の見逃しや見過ごしを防ぐことや,既往の点検結果や損傷事例等を参照し,損傷・劣化の危険性・進行性を考慮した判定が可能であり,効率的かつ効果的な維持管理に役立つ基礎データを提供可能であると考えられる.