2026 年 5 巻 1 号 p. 270-279
鋼製フィンガージョイント(FJ)の櫛付根部から生じる疲労き裂の検出法として,フェーズドアレイ超音波探傷法(PAUT)を実施している.しかし,き裂が浅い場合には検出困難で,またFJ上面から探査する必要があるため,交通規制を要するといった課題がある.本研究では,撤去したフィンガージョイントに対してPAUTの検出精度の検証と,新たな維持管理手法として,IoTデータロガーによるき裂進展モニタリングの適用性について検証した.その結果,FJのき裂深さが6.4mm以上はPAUTで検知可能で,それよりも浅いき裂は検知困難であることを確認した.未検知となるのは,溶接表面のエコー反射がき裂先端部のエコー反射と重畳することが原因であることを明らかにした.また,IoTデータロガーを活用することでFJのき裂進展モニタリングが可能であることを明らかにした.