抄録
連続水制の流水抵抗特性とその物理メカニズムについて,固定床における水理模型実験と数値解析を実施し,両者を比較することで詳細検討を実施した.アスペクト比が5以下では水制域・主流界面を一個の渦が,アスペクト比が10以上では複数の渦が進行すること,アスペクト比が20になると,主流が水制間の壁面に再付着する現象が確認された.これらの特性は実験と数値解析でほぼ一致した.流れの抵抗についてはアスペクト比5~10間でピーク値をとること,これが界面を進行する渦の個数と運動量層厚の関係から説明できることを示した.また,抵抗特性は水面振動の1次モードが支配的であることから,水制一間隔のみを計算領域に含む周期境界条件では,上下流端の水深が拘束され,流況や抵抗特性の再現性が著しく低下することを示した.