抄録
本研究では,面内周期性を有する複合板を対象として,そのマクロの力学的性能を最大化させるようなミクロ構造(面内ユニットセル)の最適材料配置を決定する手法を提案する.最適化問題の設定にあたり,マクロ構造には厚板要素を用い,ミクロ構造には3次元的広がりを持つソリッド要素を想定し,両スケールの境界値問題を解くことでミクロ構造の非均質性を反映した均質化板剛性を算出する.この均質化板剛性を用いて,マクロ厚板構造の剛性を最大にするトポロジー最適化問題を設定する.また,設定した目的関数に対する感度を解析的に得る手法を提示し,数値微分との比較により手法の信頼性を示す.そして,得られたユニットセルのトポロジーを提示することで,本手法の有用性を評価する.