2016 年 72 巻 1 号 p. 1-20
本研究は,異なる粒径の混合粒状体に生じる偏析現象を基礎的に解明するため,回転円筒実験装置を用いて,表面凹凸を有する2粒径混合粒子群に生ずる偏析現象の生起条件と,そのメカニズムについて考察したものである.すなわち,粒径の異なる2種類の玉砂利を混合し,回転円筒実験装置の回転速度や底面粗度を変えて偏析の有無について調べた.また,比較対象として2粒径混合ガラス球についても,回転円筒実験装置による偏析現象について調べた.そのうえで,表面凹凸のある粗粒材では適度な底面粗度を与えることによって偏析が生起することを示した.さらに,個別要素法を用いて偏析現象を再現解析し,個別要素法の再現能力と,表面凹凸のある粗粒材の偏析には要素の回転自由度が必要であることを示した.