土木学会論文集A2(応用力学)
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応用力学論文集Vol.20(特集)
流木捕捉形態の流木リチャードソン数依存性と3D-2D型モデルの適用性
木村 一郎北園 和也
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2017 年 73 巻 2 号 p. I_553-I_562

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抄録

河川流域における取水ゲートや橋脚,水制などの河川構造部周辺の流木集積スタック現象の予測解明,治水,利水,環境において非常に重要であり,これには流れと流木挙動の三次元性が大きく関与する.本研究では,障害物周辺の流木挙動の三次元性の程度を表すパラメータとして流木リチャードソン数を提案する.実験結果から,流木リチャードソン数が10以下では三次元性が卓越し,これ以上では水面付近の二次元挙動が卓越することを示した.また,流木スタックの三次元性は障害物による流木捕捉率を低下させることも示した.一方,開水路三次元(3D)流れの数値解析モデルと,流木挙動を水面付近の二次元(2D)運動に限定した流木モデルにカップリングした3D-2D流木モデルを構築した.第一種二次流の影響を受ける湾曲場で本モデルと2D-2Dモデルの結果を比較することで,流れの三次元考慮の必要性を示した.一方,3D-2Dモデルにより前述の障害物周辺の流木スタック現象の再現を試みた結果,本モデルの適用範囲は流木リチャードソン数が10以上の場合に限定されることを示した.

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