2017 年 73 巻 2 号 p. I_699-I_710
信頼ある地表断層変位の推定手法は断層変位に対する重要構造物の設計・安全評価を行うために重要である.断層変位の推定手法として数値解析による推定が考えられる.本論文では,1) 厳密に導出した高次ジョイント要素,2) エネルギー保存に優れた陽的シンプレクティック時間積分という2つの機能を有する有限要素法プログラムの開発を行った.本有限要素法プログラムは並列計算による大規模解析が可能である.断層を含む地盤の比較的単純な3次元モデルに開発したプログラムを適用し,その検証を行った.また,開発した解析手法は100万自由度程度のモデルに適用可能で,計算時間も十分に短いことを示した.