2020 年 76 巻 2 号 p. I_489-I_498
一般に,河床波の種別は砂州,砂堆,砂漣の 3 つに大別され,これらの支配物理量は個別に検討されてきた.また,河床波上の流れは,十分な実証や理論的な根拠がないまま,砂州上は浅水流,砂堆上および砂漣上は非浅水流と考えられている.さらに,河床波に対応した水面形の有無が既往の研究により報告されている.しかし,これまでに,河床波の種別や支配物理量,河床波上の流れの種別,また河床波に対応した水面形の有無に関する流体力学的な観点からの検討はない上,統一的な区分法は未確立である.本研究は,河床勾配と微小振幅波理論から得た水深波長比の 2 つの独立変数を用いて実河川や模型水路における河床波の測定結果を比較し,河床波自体とそこでの流れの種別,さらに河床波に対応した水面形の有無について統一的に区分できることを示した.