抄録
本研究では,社会基盤施設に対する需要の減少と劣化過程の進展により,将来時点において施設廃棄が予定されているような社会基盤施設の最適管理政策を検討する方法論を提案する.社会基盤施設は耐久性を有しており,安全性,経済性に問題がなければ継続的に運用することが可能である.本研究では,1)社会基盤施設を直ちに廃棄する,2)必要最低限の維持業務のみを実施する,3)施設の補修を継続的に実施する,という3つの施設管理政策をとりあげる.その上で,施設需要や劣化状態を考慮し,施設管理政策を最適に転換するようなアセットマネジメント政策を求める最適廃棄・補修モデルを提案する.さらに,具体的事例を通じて,提案した最適廃棄・補修モデルの有効性を実証的に考察する.