2019 年 75 巻 2 号 p. I_225-I_237
近年,地方部におけるインフラの維持管理の担い手不足を背景として,発注者が維持管理に関する包括的な契約を地域の複数の建設企業からなる組合やJVと結ぶ地域維持型契約方式が注目されている.本研究の目的は,地域維持型契約によって事業の効率性が向上しているかを検証することである.事業の効率性の指標としては,入札価格・落札価格を用いた.具体的には,三重県および岐阜県の地域維持型契約を対象として,入札価格の変化について回帰分析を行った.結果として,地域維持型契約による価格低下効果はいずれの県においても見られないことが明らかになった.