2019 年 75 巻 2 号 p. I_58-I_72
近年の建設業界では人手不足や技術継承問題が懸念され,地方自治体では発注体制を確保できなくなる恐れからCM方式へのニーズが高まっているが,普及が進んでいないのが現状である.これまでCM方式の導入効果やCMRの役割に関する研究,CM方式の制度検討が行われているが,CM方式導入時に発注者自らが実施体制を検討する手法についてまだ明らかにはなっていない.
本研究では,CM方式実施体制の検討の考え方を明らかにすることを目的に,既往研究から5つの評価項目を抽出した.東日本大震災復興事業CM方式の活用事例を基に,評価項目とCMタイプとの関連付けと,発注者補完の観点からピュア型CMとアットリスク型CMの比較を行い,CM方式導入検討時の客観的な考え方を示した.1次CMという概念を提案し,CM方式導入促進と発注者補完への効果について考察した.