平成29年(2017)告示の中学校学習指導要領解説理科編では,第3学年「太陽系と恒星」の単元において,「太陽や惑星の大きさなどの特徴を理解させる」ことを目標としている。地学領域に特有な見方・考え方である時間的・空間的スケールのうち空間的スケールに着目し,大学生を対象に太陽系の惑星について,大きさと太陽からの距離についての認識調査を行った。その結果,惑星の大きさについては,①地球型惑星では実際よりも大きく認識していること,特にその傾向が水星と火星で顕著であること,②地球型惑星は外側ほど大きい,あるいは木星と土星以外の惑星の大きさは概ね同程度であると認識していることの2点が明らかになった。一方,惑星の距離については,①惑星間の距離は概ね等間隔である,②地球型惑星は実際よりも8倍以上遠くに位置していると認識していることの2点が明らかとなった。