抄録
近年,首都圏を中心に地下構造の道路が検討・建設されているが,都市内道路と長大トンネルという複合的な走行環境について,走行安全性の面からの懸念も指摘される.特に大深度の地下では,その閉塞性等から事故被害が甚大化しやすく,単独事故の防止対策に加え,多重衝突事故への発展を抑制する対策も併せて検討すべきである.多重衝突事故についてはデータ取得などの問題から過去の研究は十分に行われておらず,その発生メカニズムの分析などの基礎研究も必要である.本研究では都市内地下道路を対象に,複数被験者が同時走行可能なドライビングシミュレーションシステムを活用した走行実験により,多重衝突事故時の運転挙動データを大量に取得し,多重衝突事故の発生メカニズムや発生確率に関する従来にない分析・考察を行い,幾つかの知見を得た.