抄録
都市経済学分野では,Beckmann3)を先駆として,「都心形成」現象を説明する研究が蓄積されてきた.しかし,これらの既存研究では,均衡解の一意性・安定性を全く議論しておらず,均衡状態・社会的最適状態ともに,対称な立地パターンを前提として分析している.そこで,本研究では,Beckmannモデルの均衡解の一意性・安定性を確認する方法を示した.その方法を利用することで,Beckmannモデルの均衡解が一般的に一意ではなく,既存研究で知られる対称な立地パターン以外に,非対称な均衡立地パターンが存在することを明らかにした.さらに,均衡状態では,対称な立地パターンより,非対称な立地パターンの方が効率的であることを数値実験により確認した.