土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第39巻
下水汚泥を利用した燃料作物栽培による温室効果ガス排出削減効果
本多 了福士 謙介
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 67 巻 6 号 p. II_299-II_305

詳細
抄録

 下水汚泥の有効利用と下水処理における創エネルギー施策として,下水汚泥由来の堆肥を利用して燃料作物を栽培してバイオ燃料を生産した場合の温室効果ガスの排出削減効果を試算した.政令指定都市および特別区にある下水処理場から排出される汚泥全量を利用して大豆を栽培しバイオディーゼル(BDF)を生産した場合,下水処理部門の4.0%に相当する温室効果ガス排出削減効果があることがわかった.一方で,同一都道府県の耕作放棄地のみを栽培に用いた場合の削減量は,トウモロコシと大豆の場合でそれぞれ下水処理部門の0.60%,0.62%となり,燃料作物の作付面積が削減量の主要な制限因子となりうることが分かった.汚泥堆肥量が作付面積の制限因子となったため,面積当たりの施肥量が小さい大豆を生産した方がより多くの温室効果ガス排出削減が見込めることがわかった.

著者関連情報
© 2011 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top