土木学会論文集G(環境)
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和文論文
小学生を持つ母親の飲料水に対する意識・経験のモデル化と政策展開への応用に関する研究
山村 尊房大貫 まろみ長岡 裕
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2012 年 68 巻 2 号 p. 138-151

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抄録
 小学校における児童の水分補給方法として水筒持参が各地にみられ,学校での水道の役割が変化している.本研究は,水筒持参の潜在的な原因や問題の構造を探り,政策的な取り組みにつなげるため,小学生を持つ母親を対象として,様々な心理要因と水筒持参に至る思考過程から潜在変数と観測変数を想定したオンラインアンケートを実施した.調査の結果,飲料水の選択には地域的な差異があり,子供に水筒を持たせたいと考える親は西日本を中心に多く,東日本にも広がっていることがわかった.共分散構造分析によるデータ解析の結果,水筒持参は,学校水道への不満感によって生じ,それは学校への不満に強い影響を受け水道水質への信頼感の欠如に影響されていることが明らかになった.これらの知見を踏まえた取り組みを関係者が連携して行うことが必要である.
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© 2012 公益社団法人 土木学会
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