抄録
近年の地球温暖化により熱帯アンデス氷河は後退しており,氷河の後退による将来の水資源問題が危惧されている.本研究では,ボリビアのコンドリリ氷河を対象として氷河融解量を計算するために必要なパラメータである地表面アルベドの推定を行い,コンドリリ氷河周辺のアルベド分布図を作成した.アルベド推定はLandsat衛星画像を用いて行い,チリのスリレ塩湖でのアルベドを1とすることで,スリレ塩湖における反射エネルギーは入射エネルギーと等しいと仮定して計算した.その結果,コンドリリ氷河上のアルベド分布は雨季と乾季で大きく異なり,雨季には標高4400m~5100mで雪氷上のアルベドが標高の高低により大きく変化することが分かった.