抄録
地域の身近な足として,また環境負荷の低い(輸送量あたりのCO2排出量の少ない)移動手段として“バス交通”が期待されている.一方,バス利用者数は年々減少傾向にあり,存続のためには,自家用車利用からの転換が特に重要となる.そこで本研究では,自家用車利用からバス利用への潜在的な転換可能性や,その際のバスサービスの改善ニーズを,居住者のバス利用環境の視点から定量的に明らかにした.分析の結果,バス利用の有無やバス利用への転換可能性は,年齢層及び職業の有無等の個人属性や居住地周辺のバス整備状況が特に影響していることが確認できた.さらに,バス利用へ転換する場合に改善を求めるバスサービスは,40代以下の層は,運行システムなどで相対的に類似した改善ニーズを持つ一方,60代以上非勤め人の層は,乗車前後の負担に関連する特徴的な改善ニーズを有していた.