抄録
環境影響評価法の改正により住民の参加機会が増加することで,これまでよりも分かりやすい環境影響評価図書の作成が事業者に求められると想定される.本稿では,環境影響評価手続における住民意見を分析し,住民の関心に対応した環境影響評価図書のあり方を検討した.住民意見には,大気質と騒音において環境基準との比較だけでなく現況からの悪化の程度,動物・植物・生態系において重要な種だけでなく身近な自然環境の保全などがあることが判明した.環境影響評価図書の作成にあたっては,住民の関心に対応する部分を強調することが必要となる.ただし,情報量の増加が住民の負担とならないよう,住民の関心に応じた適切な対応が求められる.