2012 年 68 巻 6 号 p. II_245-II_253
本研究では,和歌山市をケーススタディの対象地として,清掃工場の焼却排熱を活用した下水汚泥のバイオオイル化システムを検討し,エネルギー消費量および温室効果ガス(GHG)排出量を定量的に評価した.その結果,清掃工場と下水処理場の両施設が余剰排熱(電力換算)を介して連携し,さらに下水処理場にバイオオイル化技術を導入するケースでは,それぞれの施設でのエネルギー消費量を上回る焼却排熱とバイオオイルが回収可能であり,エネルギー自立しうるポテンシャルを有することが明らかになった.また,同ケースでは,施設間の連携や新技術の導入を実施しないケースと比較して,GHG排出量が37.3%削減されることがわかった.