抄録
本研究では,行政機関より提供されている適応策関連情報を市民がどの程度認知し, さらに,気候変動による影響を受けると考えられる水資源,防災,健康,生態系,農業分野のいずれに対し人々が重要と考えているのかを明らかにすることを目的とし,一般市民を対象にしたアンケート分析を実施した.その結果,人々は特に,健康関連分野におけるスギ花粉や熱中症,光化学スモッグといった市民生活に直結する情報をよく認知していた.猛暑と豪雨については約90%の回答者が高い関心を寄せており,これらへの関心の高い回答者ほど,いずれの情報認知も高くなっていた.人々が最も重点をおいている分野は農業分野であり,一方,防災分野への重要度認識が最も低かった.個人属性では,特に防災分野情報に関して男性の方が高い認知を示し,年齢が高くなる程,情報認知が高かった.