抄録
近年,登校時に水筒を家から持参する児童が見られ,小学校児童の水分補給手段が変わりつつある.本研究では,水筒を子供に持参させる親の心理的要因を探り,政策的な取り組みにつなげるため,小学生を子供に持つ東京都・愛知県・大阪府・福岡県の母親を対象に,水道水に対するイメージや関心,身近な河川に関するイメージなどと,小学校の水道への不安度などに関して,ウェブアンケートを実施し,不安がどのような心理的要因によって引き起こされるかについて,各都府県毎に共分散構造分析を行い,各都府県を取り巻く水道や身近な河川に関する状況が母親の心理的要因に及ぼす影響について考察を行った.福岡県では過去と現在の河川に対するイメージのギャップが他の三県に比べ大きく,このことが水道水質への不信感に影響を与えていることが示唆された.