抄録
国内でキャンドルナイトイベントは数多くみられるものの,電気を消して闇を楽しむという目的なのか,にぎやかなあかりを楽しむという目的なのか、キャンドルレイアウトとの関係が未整理のため混乱が見られる.そこで本研究では,キャンドルナイトにおけるキャンドル配置パタンに対する心理評価について,計量心理学的手法を用いて,その定量化を試みた.
被験者に呈示する配置パタンとして,6種類の典型的なデザインを選定し,またキャンドル間の距離について3段階の密度を設定することで,18種類の配置パタンを採用した.これらの配置パタンに対する心理評価を,129名の被験者を対象としたSD法を用いて解析し,その結果,6種類のデザインの心理評価を明らかにすることが出来た.面状・絵(ハート型)デザインは若者ターゲットのイベントにおいて「良い・好きな」印象を与え,面状・等間隔デザインは鎮魂の意味を持つイベントに適しているデザインであるといった印象を明らかにすることができた.また,キャンドル間の密度の差違によって,人びとへの印象が変わるデザインが存在することも明らかになった.