抄録
温室効果ガス排出量の削減目標や東日本大震災後の電力供給不足から節電が求められている.特に分譲集合住宅(以下,マンション)においては,戸数が500万戸(住宅全体の10%)を超え,老朽化した施設の維持管理も課題となるが,新設住宅と比較して省エネ対策が進展していない.本研究では建物の長寿命化や結露の防止,室内温度の確保に役立ち,節電対策との相乗効果が見込める省エネ改修が集合住宅において普及していない原因を分析する為,集合住宅の管理組合理事を対象としたアンケート調査を行った.その結果,マンションの築年数,規模,理事が利用している情報源により回答の傾向に差が出ることが確認された.このことからマンションの築年数,規模に応じて省エネ改修の阻害要因を明らかにし、かつ普及策を検討し,及び築年数,規模に応じた省エネ改修の普及策を提言した.