抄録
新型インフルエンザの発生に伴い,使用量が増大している抗インフルエンザウイルス薬に注目し,タミフル,タミフル代謝物質およびリレンザを対象とした同時測定方法を用いて,冬季3シーズンにおける寝屋川河川水の測定を行った.インフルエンザが流行している期間において抗インフルエンザウイルス薬が高濃度に検出され,これらの濃度およびインフルエンザ流行指数の経時変化との間に関連性が見られた.さらにこれらの関係は,薬品の用量,服用期間,排泄に要する時間,薬品の供給量および割合を考慮することで高い関連性を示した.得られた相関関係より統計的な解析を行い,寝屋川上流部における抗インフルエンザウイルス薬による生態毒性および耐性ウイルス発生の初期的なリスク評価について検討を行った.