抄録
粗石付魚道工は,多様な流れ場を創出することにより様々な水生生物の移動を可能とし,良好な河川景観を創出し周囲の景観になじむため、河川環境の復元の観点から,注目されている.しかし,自然石を用いた粗石付魚道工は,設計手法が確立されておらず,課題が多い.そこで,本研究では、自然河川の礫材を模した粗石付護床工ブロックを勾配1/10と1/20に設置し,水理実験および、ウグイ,タモロコ,モクズガニ他を使用した遡上実験を行った.その結果,粗石付魚道として厳しい条件である縦断勾配1/10で実験に用いた生物の全種の遡上を確認した.また,水理実験での流速と水深の実測データにより,魚類の遡上について検討を簡易に行うことができる水理式を提案した.さらに,擬石の粗度係数が大きな値となり,緩傾斜落差工の本体としての減勢効果についても考察を加えた.